メールマガジン

＜本号の話題＞
◆思いつくままに：夏のスイカは縁側で
◆少し役に立つこと：
　非結晶樹脂の成法違いによる表面強さ分布比較～課題解決シリーズその6～
　
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　コラム： 思いつくままに
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＜夏のスイカは縁側で＞
　
今年の夏も暑かったですね。総務のバーバラです。
昔と比べて近年の気温上昇がすごい…！
自分が子供のころの夏休みはというと、
クーラーもない家で扇風機とうちわで涼を取って過ごし、
日中はプールに外にと遊びまわっていた覚えがあるのですが、
　
今の子供たちはというと、
日中は暑くて外に出るなんてもってのほか。
エアコンのきいた涼しい児童館の中で日中を過ごし、
学校のプールに入ることもありますが
午後は気温が上がるため午前中のみ短時間解放、
しかもラッシュガードで身を守りながら。
　
のように、時代と共に、気温上昇と共に夏の過ごし方は変化。
　
もはや昼間に開け放った縁側でスイカを食べて
「ああー風が涼しいね」なんて光景は伝説レベルの話に
なってしまいましたね。
　
パルメソでも環境負荷低減という課題を抱えて相談に来られる
お客様が日に日に増えてきています。
このひとつひとつの案件が地球環境にやさしい結果になるよう、
少しでも気温上昇に歯止めをかける一助になるよう、
（希望だけは大きく！）試験にも気合が入るところです。
　
また夏の縁側で快適にスイカを食べられる日が来ることを願って。
　
＞＞総務のバーバラ
　
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　コラム：少し役に立つこと
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＜非結晶樹脂の成法違いによる表面強さ分布比較＞
～課題解決シリーズその6～
　
皆様の抱えている課題解決にMSE試験利用効果の参考になればと
～課題解決シリーズ～ と題して具体的事例を題材に紹介していきます。
今回はその6回目です。
　
「具体的事例 / 非結晶樹脂の成法違いによる表面強さ分布比較」
　
お客様からの依頼で非結晶樹脂において射出成型品は
成形条件により表面物性が異なりトラブルを起こすことがある。
プレス成型品と射出成型品で材料表層にどのような強さの違いがあるか
定量化し材料開発・技術開発に活用したいとの相談を受けました。
　
そこでMSE試験での調査を試みました。
試験条件は高分子材料の構造的な強さを高分解能で評価できる
高分解能条件を選択しました。
射出成型品とプレス成型品の表面から内部の詳細な強さ分布を
取得し比較評価しました。
　
結果、プレス成型品は表面から内部まで
均一な強さ分布であるのに対して
射出成型品は最表面部が最も弱く深くなるにしたがい
強くなっていき、その変化深さは120μm以上との結果が得られました。
　
射出成型品がプレス成型品よりも弱い要因は高分子量が異なる、
架橋が少ない又は弱いに加えて離型剤の混入などが考えられます。
また本射出成型品の表面部は大きく弱いうえかなり深くまで強度が
弱くなっており他の樹脂よりも変化が深いことがわかりました。
　
お客様からは、
実際に射出成型品の表面物性評価では深さ方向に変化が確認され、
想定で強さ分布があると予想していたが、
エロージョン率分布グラフからは強さ変化の様相と
影響深さを数値化して見ることで予想以上のデータを
得ることができたと喜びの言葉をいただきました。
　
≪これまでの課題解決シリーズ≫
○塗料のバインダー違いによる塗膜強さの比較 ～課題解決シリーズその1～
　https://palmeso.co.jp/backnumber/archives/91
○金属基材上の樹脂塗膜の密着性 ～課題解決シリーズその2～
　https://palmeso.co.jp/backnumber/archives/95
○PVC材料の薬品による劣化 ～課題解決シリーズその3～
　https://palmeso.co.jp/backnumber/archives/96
○ポリエチレン(PE)のリペレット前後の強さ変化 ～課題解決シリーズその4～
　https://palmeso.co.jp/backnumber/archives/100
○3層塗装膜の劣化度合い比較 ～課題解決シリーズその5～
　https://palmeso.co.jp/backnumber/archives/101
　
＞＞パルメソの小野田坂道こと田村敏則