メールマガジン

◆思いつくままに：冬の準備は済んでいますか？
◆少し役に立つこと：PVC材料の薬品による劣化　～課題解決シリーズその3～
　　
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　コラム： 思いつくままに
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＜冬の準備は済んでいますか？＞
　
朝晩の気温が一気に下がり、いよいよ冬が目の前（もう入っている？）。
冬用の上着や防寒グッズを慌てて準備しました。
しかしここ長岡では他にも準備することがあります。
人々の足である車の冬用装備（スタッドレスタイヤ、
スタック車救出用スコップの車内常備、長靴など）の装着、
そして道路や駐車場の消雪パイプです。
　
消雪パイプとは地下水をポンプで汲み上げて路面に散布して雪を融かす
設備です。地下水は冬でも10℃以上と温かく、その熱で雪を融かします。
主要な道路やお店の駐車場ではほとんどが完備されており、
雪が降る日でも安心して買い物ができます。
ただし、大量の水が使われるため場所によっては水はけが悪く、
大きな水たまりになるので足元の注意は必要です。（長靴を推奨）
　
パルメソでも先月末に少ない晴れ間を狙って
駐車場の消雪パイプ（ホース）を社員で協力して敷きました。
地上部に地下水井戸からくみ上げた接続用バルブがあり、
そこに穴あきホースを繋ぎ敷地内を張り巡らせる簡易な消雪パイプです。
散水は降雪感知センサーで自動制御されています。
消雪パイプを敷いてもどうしても雪が融けにくいところがあります。
そんなところはスコップで水がかかるところに雪を移してやればOK。
それが私の冬場の数少ない運動にもなります。
　
今週頭から雪が降り始めました。今年の積雪具合はどうなるでしょうか。
　
＞＞スノーダンプ熟練運転手　やす
　
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　コラム：少し役に立つこと
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＜PVC材料の薬品による劣化 ～課題解決シリーズその3～＞
　
皆様の抱えている課題解決にMSE試験利用効果の参考になればと
～課題解決シリーズ～と題して具体的事例を題材に紹介していきます。
今回はその3回目です。
　
「具体的事例 / PVC材料の薬品による劣化(変質)評価」
　
お客様から設備機械に使われるPVC樹脂の薬液による表面からの
薬液浸透状況と強度変化の相関を取りたいとの相談を受けました。
今は機械的特性をナノインデンターで測定しているが
劣化との相関がうまく見えないとのことでした。
　
そこでMSE試験での調査を試みました。
試験条件は高分子材料の構造的な強さを高分解能で評価できる
球形粒子を選択し、初期品と薬品浸透品の表面から
連続した詳細な強さ分布を変質が無くなる深さまで取得して
比較評価を行いました。
　
結果、初期品の強度分布は表面から深さ10μmまでが少し弱い分布で
それ以深ではPVC自体の強度が均一に分布していることがわかり、
表層部の少し弱い層は成型時に発生した変化と想定されました。
対して薬品浸透品は全体が初期品とおよそ同じ強度分布に
なっていましたが表面部深さ1μmまでが
わずかに弱い方にシフトしていることが確認できました。
今回はわずかな薬品浸漬時間にもかかわらず表層部に薬品反応による
強度低下が確認されたことになります。
　
お客様からはそもそも新品時に表面部に弱い層が存在すること、
わずかな薬品浸漬でも反応による強度低下が敏感に確認できること
に驚きと関心を頂きました。
この結果を受け薬品浸漬時間と強度低下の関係を得るための継続試験
に加えて、異なる薬品の影響調査を新たに行うことになりました。
薬品に強いとされるPVCであっても劣化進行が発生すること
寿命に結び付く劣化評価が初期段階から観測可能になり
加速劣化評価がより短時間で済む可能性を認めていただきました。
　
○PVC樹脂表面におけるケミカル劣化形態の探索
　https://palmeso.co.jp/mse/case/archives/18
○その他のMSE試験事例
　https://palmeso.co.jp/mse/case/
　
これまで
「塗料のバインダー違いによる塗膜強さの比較 ～課題解決シリーズその1～」
　https://palmeso.co.jp/backnumber/archives/91
「金属基材上の樹脂塗膜の密着性 ～課題解決シリーズその2～」
　https://palmeso.co.jp/backnumber/archives/95
「PVC材料の薬品による劣化」（本稿）
　
と続けて紹介してきました。
この事例のような強さ、界面、劣化の課題解決にMSE試験をご利用ください。
　
＞＞パルメソの小野田坂道こと田村敏則