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Palmeso Times

Vol.049 スイカの出来は/精密な強さ分布が解決する世界 -樹脂劣化と強度-

<本号の話題>
◆思いつくままに:スイカの出来は
◆少し役に立つこと:精密な強さ分布が解決する世界 -樹脂劣化と強度-
  
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 コラム: 思いつくままに
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<スイカの出来は>
 
長岡はこの一週間雨続きで暑さもやわらいでいるところですが、暑い夏に食べたくなるのはやはりスイカです。
中学生の時にばあちゃんの指導の下、作ったことがありました。
 
当時住んでいたところは杉の木に囲われた山の中、エアコンなんかも無く窓を全開にしているとよくオニヤンマが
入ってきてテレビの前でホバリングして画面を凝視していました。
そんな自然が身近にある環境で家庭菜園の一角を借りてスイカを作っていました。
 
一番大事なことはできたスイカが狸に食べられないように柵で囲ってあげることです。
スイカは横に広がるので4m四方の囲いを作ってあげました。
花が咲いたら雄花を雌花に受粉させてピンポン玉くらいに成長すれば安心、あとは待つばかり。
1株に3、4個ならせる予定だったのが結果的に育ったのは1個。
重さ13kgの贅沢な1個になってしまいました。
収穫したスイカを切り分けようと包丁を少し入れると「ピキピキ」と音がして一気に割れてしまいました。
割れた断面は真っ赤で隙間なくギッシリ詰まっていました。
味の方はと言いますと甘い、今まで食べたどのスイカよりも甘いです。
まあ自分で作ったものなので贔屓目がありますが、
家族や遊びに来ていた姉の友人にも食べてもらいましたが皆好評でしたからうれしかったです。
 
やはりものづくりは分野を問わず、その結果が満足いくものだと嬉しいものです。
ちなみに今年はメロン栽培に挑戦したのですが苗を植えてすぐに虫に食べつくされてしまいました。
来年は虫対策をしてもう一度トライしてみます。
 
>>週末ファーマーのヤス
 
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 コラム:少し役に立つこと
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<精密な強さ分布が解決する世界 -樹脂劣化と強度->
 
様々なところで樹脂が使われています。
身近な雑貨から電気・電子装置、自動車、飛行機、最近では発電風車、ドローン、空飛ぶ車など枚挙に事欠きません。
これらの樹脂強度はものづくりには重要なデータでましてや劣化による変化等は正確に把握しておく必要があります。
しかし、劣化度合いは劣化要因である外部のエネルギー環境の多様化や
樹脂材質の多さなどがあり一般化ができない悩みがあります。
個別で網羅的に材料の強さ変化を把握するには高速で強度変化を取得する試験法が求められています。
 
劣化変化の把握には先ず、部品の使用環境での劣化パターン把握が第一にあると思われます。
光系の劣化なら表面部の劣化がどのくらいで、深さはどのくらいまで
進行するのか、その強度低下の深さ方向劣化パターンによる強度変化が
部品としてのバルク強度にどのくらい影響するのかなど。
勿論、光のエネルギー量と強度変化度合いも気になるところです。
熱の場合はどの様な変化パターンか(一般的には表面も内部も均一な変化と言われているが)を知って、
そのミクロな強度変化が熱エネルギーとどんな関係にあり部品としてのバルク強度に
どのくらい影響するのかは興味の対象になります。
劣化の因子は単独ではなく複合的な場合が多く変化パターンの可視化は必須の要件と思われます。
 
MSE試験のエロージョン率は正に劣化パターンの可視化が大得意です。
勿論変化量の数値化もできています。
光・熱・湿熱・ケミカル等々による強度変化や単層膜・多層膜・傾斜膜や
界面などの変化の事例や知見を多く有しています。
実に多様な変化パターンのあることがわかっています。
劣化度合いを部品としての強度変化に結び付けるにはバルクの引張や曲げ試験のデータが必要になります。
例えば表面変化の面積とバルク強度の相関から
表面劣化がバルク強度を低下させる係数を導き出すような事例もあります。
 
一例として、樹脂板の光変化のパターンでは表面が最大強度低下で
深くなるに従いサインカーブ状に変化が少なくなることがわかり、
その深さは浅いこともわかりました。
加えて、板内部のほとんどが変化していないこともわかりました。
この樹脂板の引張試験では未劣化品に比べてかなり弱い結果になって
いました。念のため、劣化表面部を除去した試験片を作り引張試験に
かけたら、強度は未劣化と同じ、劣化していないとの結果になりました。
表面部の劣化が大きな因子となり全体強度を低下させることが解かりました。
このような分析解析事例は役立つと思われますが、いかがでしょうか。
 
参考事例
https://palmeso.co.jp/mse/case/archives/3
https://palmeso.co.jp/mse/1505/
 
>>とりあえず親方 松原亨

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