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Palmeso Times
<本号の話題>
◆思いつくままに:ごあいさつと展示会の目標
◆少し役に立つこと:
鋼板上の2層塗膜 焼き付け条件違いの塗膜強さ
~課題解決シリーズその8~
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コラム: 思いつくままに
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<ごあいさつと展示会の目標>
メルマガを読んでいただいている皆様初めまして。
市橋と申します。
今年からパルメソに入社した新人です。
新人ですが社会人としては6年目に突入しています。
10/2~10/4に開催されたSMART ENERGY WEEKや
10/29~10/31に開催された高機能素材Weekで説明員をしていたので、
もしかするとお会いしている人もいるかもしれません。
SMART ENERGY WEEKにて初めて説明員をしました。
やれることはできたと思う反面、難しさも感じました。
せっかく来ていただいているにもかかわらず
こちらが説明するだけの一方通行になりがちなのです。
会話が続くときはお客様の方から具体的な課題を言ってもらって
いたり、質問を振ってもらっていたりした場合でした。
次回は私の方から課題や質問を引き出して、
一方通行で終わらないようにすることが目標です。
説明させていただいた皆様に、MSE試験が課題解決に役立つ
面白い技術ということが伝わっていたらうれしいです。
>>平成レトロ概念に驚いた 市橋
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コラム:少し役に立つこと
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<鋼板上の2層塗膜 焼き付け条件違いの塗膜強さ>
~課題解決シリーズその8~
皆様の抱えている課題解決にMSE試験利用効果の参考になればと
~課題解決シリーズ~と題して具体的事例を題材に紹介していきます。
今回はその8回目です。
「具体的事例 / 鋼板上の2層塗膜 焼き付け条件違いの塗膜強さ」
お客様から上塗りと下塗りの2層構成の塗装において
剥離試験をすると上塗り塗膜の焼付温度違いで
上塗りと下塗り間の界面に異常剥離の現象がでている。
推察として、焼付温度の違いで上塗り塗膜の深さ方向に塗膜硬化状態の
違いが生じていて、上塗り表層側に比べて下塗りとの塗膜界面近傍の
樹脂硬化度合いが弱いのではないかと考えているとのこと。
良品と不良品の塗膜の深さ方向の強さ分布から理由の探索が
できないかとの相談を受けました。
そこでMSE試験での調査を試みました。
試験条件は界面を含む塗膜の構造的な強さを高分解能で評価できる
球形粒子を選択して、表面から基材鋼板までの全層にわたって
強さの連続データの取得を行い不良要因を評価しました。
結果は良品と不良品の違いにいくつかの差があることが判明しました。
① 膜強さ比較では良品と比較して不良品は上塗り、下塗りともわずかに弱い。
② 両者とも上塗り層は2層に分かれ表層側半分は均一分布で、
下層半分は強弱振動がある。
③ 特に不良品の上塗り下層部は大きな強弱振動が存在している。
④ 鋼板と下塗りの界面では良品に比べて不良品に弱いピーク層が
あることがわかった。
以上から不良品における上塗りと下塗りの界面剥離の原因は、
そもそも上塗り強度が弱いことと
上塗りの下層に大きな強弱振動があることの複合要因と判定されました。
また、新たに不良品は鋼板と下塗り界面部に弱いピークがあり、
異なる剥離要因になる可能性が示されました。
焼付温度違いのみで大きな強度変化の出現が確認できました。
お客様からは、
塗膜の厚み方向の物性挙動変化を見ることができるMSE試験は
貴重な試験方法と認識いただき有用な情報になるようでした。
この結果に基づきプロセスの管理等を徹底してゆくとのお話です。
>>パルメソの小野田坂道こと田村敏則
≪これまでの課題解決シリーズ≫
〇その7 PET樹脂表面コート剥離問題⇒界面強度の精密な調査
https://palmeso.co.jp/backnumber/archives/107
○その6 非結晶樹脂の成法違いによる表面強さ分布比較
https://palmeso.co.jp/backnumber/archives/106
○その5 3層塗装膜の劣化度合い比較
https://palmeso.co.jp/backnumber/archives/101