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Case Study
鉄鋼材料
窒化処理
プラズマ窒化
ガス窒化
塩浴窒化
鉄鋼材料の窒化処理工法違いの断面強さ分布調査
目的
・鉄鋼材料の表面改質に使われる窒化処理の精密な強さ分布を知る。
・処理方法の異なる3種類の窒化処理を題材に試験する。
試験条件
サンプル:S45Cへの処理方法の異なる3種類の窒化処理品(浅い表面処理)
試験条件:硬さと擬似相関可能な特殊な試験条件・・・使用粒子球形ジルコン15μm
試験結果
3種類のサンプルの試験結果を重ねて表示した。
エロ―ジョン進行グラフ
エロージョン率分布グラフ
上グラフは試験から得られたデータであるが硬さ表示には見にくい。
下グラフのように硬さ換算して深さ方向の硬さ分布を示した。
硬さ分布グラフ
・塩浴窒化は表面が軟らかく深くなるに従い硬くなり、およそ4μmで最大硬さHv700となって、その後緩やかに基材まで硬さが連続的に低下し、基材に漸近している。
・ガス窒化とプラズマ窒化は同じ分布形態を示し、表面は軟らかく少し深くなったとところで
1段目の硬さ層があり、それを超えるとさらに硬い層が現れる様相で、硬さが2段階層の特徴的な分布があり、その後は基材に漸近している。最大硬さはプラズマ窒化がHv1400と高く、ガス窒化ではHv600となっている。
評価
・鉄鋼材料の硬さ分布をサブミクロン深さ分解能で連続取得可能で、強さ分布が詳細に評価できる。
・窒化処理は硬さが1段目と2段目の2段階硬さを示すことは興味深い。
・窒化処理は大なり小なり表面部に弱い層がある。最表面が重要な場合は研磨等で除去することが肝要となる。その除去量は本試験グラフから決定できる。