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Case Study

2条件試験 自動車ボディ塗装 焼き付けプロセス違い

自動車塗装 プロセス違いの検証

目的

塗装工程の低エネルギー化とスループット短縮を目指して、乾燥工程を都度焼き付け(Wet-On-Dry)から一括焼き付け(Wet-On-Wet)に変更した場合の各層及び界面の強さ変化を評価する。

試験片と塗布工程の乾燥温度
mse_011_01.png

塗料も層数も同じで着色ベースの乾燥温度と時間が異なる。

試験結果

MSE試験結果:耐摩耗特性と靭性特性の2条件試験による強さ分布取得
mse_011_02.png

(多角粒子使用)

 

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(球形粒子使用)

・着色ベース層近辺でWet-On-Wet(サンプル1)とWet-On-Dry(サンプル2)では強さ分布が異なることがわかる。
・Wet-On-Wetは、着色ベース層とクリア層の接続強さがスムーズで強さ分布としては理想的といえる。
・着色ベース層で一旦乾燥させると表面部が強くなりその後のクリア層塗布で界面部が弱くなっている。
・温度変化による伸び縮みや外力による応力集中を考慮するとWet-On-Wetプロセスが理想的な強さ分布になるといえる。

まとめ

・塗膜の連続した強さ分布からWet-On-Wetプロセスは、塗装工程が簡易になる、短時間になる、低エネルギー化が図れる、層間剥離等がしにくくなるなど多くのメリットがあることが判明した。

活用の場面

・プロセス変更により影響を受ける領域の解析。またはどれほど影響を受けたかの判定
・応力集中し剥離の原因になっている層の解析
・環境試験や加速試験による強さ変化の調査解析

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