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Case Study

クリアコート アクリルウレタン 硬化剤 光重合剤 2条件試験

有機コーティングの配合比と強さの関係調査

目的

有機コーティングの A:主材質の違い B:硬化剤配合量の違い C:光重合開始剤添加量の違い をそれぞれ変えた時の強さと脆さの変化を可視化する

試験した有機コーティングの情報
mse_1902_01.png

試験結果

2条件のMSE試験で得られたエロージョン率から各材質の平均値をとって各材料の代表値とし、横軸・縦軸にプロットしたMSEマップを示す。
なお、数値はエロージョン率の逆数にしたMSE抵抗値で示す。(数値が大きいほど強い)

主材質強さと靭性・疲労耐性の関係図
mse_1902_02.png

グラフより

A:主材質(UV硬化型クリアコート)の硬さを変えた場合の変化
主材質が変わると横軸(強さ)が変わる
今回の材質は縦軸(靭性)も変化する

B:硬化剤(2液硬化型アクリルウレタン)の配合比による変化
少0.2:標準1:多2
主材質が同一でも硬化剤の配合比で横軸(強さ)が変わる
 =硬化剤との反応で材質自体が変わっているといえる
硬化剤が多いほど横軸(靭性)が向上している

C:光重合開始剤添加量による変化
微0.02:少0.05:標準1:過多2
添加量を変えても横軸(強さ=材質)はほぼ変わらない
 =開始剤の添加量に関わらず主材質はほぼ変化していない
添加量過多で横軸(靭性)が低下していることから、添加量に適正値があることがわかる

まとめ

主材質の硬さや硬化剤の配合比を変えると強さと脆さが変わり、光重合開始剤の添加量には適正値があることがわかった。

参考に

一般に使われている鉛筆硬さ試験とスチールウール引っかき試験を行いMSE抵抗値と比較したグラフを示す。
 

mse_1902_03.png


mse_1902_04.png


・鉛筆硬さ試験とスチールウール引っかき試験は官能試験で飛び飛びの数値を示すのに対してMSE抵抗値は連続した数値を測ることができる。
・鉛筆硬さ試験とスチールウール引っかき試験では差の出ない強さをMSE抵抗値は敏感に検出している。

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