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Palmeso Times

Vol.063 坂道嫌いなロードバイカー/複合材料と材料強さ及び摩耗寿命

<本号の話題>
◆思いつくままに:坂道嫌いなロードバイカー
◆少し役に立つこと:複合材料と材料強さ及び摩耗寿命
  
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 コラム: 思いつくままに
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<坂道嫌いなロードバイカー>
 
ロードバイク(自転車)を始めるとやってみたくなるのが100km Run、
私もロードバイクを教えてくれた先輩に誘われて何度も行く事に…。
最初の100km Runは当時住んでいた藤沢の湘南台から江ノ島に出て
右(西)に向かい箱根湯本まで。蕎麦と温泉を満喫した後、
何故か行きも向かい風だったのに帰りも向かい風という
地獄の復路を恨みながら完走。
二度目は東に向かい三浦半島の三崎まで足を伸ばし
名物のマグロを頂き、海抜0mから地獄の登坂を乗り越え、
日が沈む鎌倉をやり過ごしてなんとか完走。
 
100km Run、行きはニンジン作戦でなんとか頑張れるんですが、
帰りは夕暮れを気にしながらひたすら漕ぐ地獄という経験を
何度かしまして、あの帰りの苦労をしなくて箱根の温泉も
三崎のマグロも食べたいとしたらどうするかと先輩に問うと、
さすが元自転車部の先輩、
先輩:『あのね輪行って手があるのよ』
私 :『リンコウ???』
先輩:『要は自転車をバラして袋に入れて交通機関で帰ってくるというスタイル』
 
それを早く言ってよってんで、早速、輪行バッグを購入し、
今度は箱根で温泉とビール付きの蕎麦を堪能した後、
箱根湯本駅で自転車をバラして小田急でうたた寝しながら帰宅。
三崎もマグロと日本酒を堪能した後、京急の三崎口から三浦半島逆回りの
横浜駅経由で湘南台まで戻るという50km Run&ご褒美&輪行帰宅という
スタイルでロードバイクを楽しみました。
 
さて、数年前に地元長岡に帰ってきまして、
こちらにも良いコースが無いかと探すと、
信濃川沿いにロードバイクにはもってこいの河川敷ロードがありました。
洪水を防ぐ為に明治から大正時代にかけて造られた大河津分水で
信濃川に別れを告げて海に向かうとちょうどいい距離で寺泊港に
行けることがわかりました。

ある晴れた日に『よーし寺泊まで行くぞー』って元気よく出発して
信濃川の優雅な流れを楽しみながら寺泊港に到着、
コンビニでおにぎりを買って釣り人を見ながら昼食を済ませ、
さて戻るかと振り返ると悪い予感・・・。
港ですので海抜0m、海岸近くは少しだけ登坂がありまして
その坂を越えたら既に足にきている、
まだ家の方角にある西山連峰が遠くに見える(泣)。
なんとかママチャリよりも遅いスピードで戻りますと、悲しいかな
我が家は里山の中腹にあり、ロードバイカーとしては屈辱の下車、
坂道をロードバイク押してヘロヘロで帰宅することに。
 
田舎は交通機関が乏しく得意の輪行が使えない今は、
平地までロードバイクを車で運び、「坂道」を避けながら
越後路を楽しんでいるパルメソの「小野田坂道」こと田村敏則でした。
 
>>パルメソの小野田坂道こと田村敏則
 ※「小野田坂道」は架空の千葉県立総北高校の自転車部を
  描いたマンガ「弱虫ペダル」の主人公です。
 
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 コラム:少し役に立つこと
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<複合材料と材料強さ及び摩耗寿命>
 
複合材は材料自体の強度アップや機能アップそして耐摩耗性向上など
様々な場面で等変われています。
自体の強度アップの代表に挙げられるFRPは
樹脂にガラスや炭素の繊維を織り込んだり、フィラーとして
混ぜ込んだりして樹脂単体の強度を飛躍的向上させています。
広義な範囲では鉄鋼材料も鉄(Fe)の中に化合物を析出させて
強度アップを図る複合材料の範疇に入ります。
機能アップは広い範囲で使われていますが樹脂に銀(Ag)や銅(Cu)粒子を
混ぜ込み殺菌や抗菌作用を発現したものなどが解かり易い事例になります。
耐摩耗性では樹脂にガラス粒子やセラミックス粒子を混ぜ込み
表面に露出した粒子が耐摩耗性を発揮するように作成され
機械系部品では多様かつ至る所に使われています。
 
一般的に複合材は異なる2つ以上の材料を混ぜあわせたものを指し、
主になる材料をマトリックス材、加えられる材料を強化材と呼びます。
FRPでは樹脂がマトリックス材でガラス繊維やフィラーを強化材としています。
(高強度FRPは繊維などの方が多いものもある)。
これら材料の機械的特性を測ることはマトリックス材と強化材が
異なる強さでかつ独立して存在しているために大変困難になります。
マクロな強さは複合化された材料の大きな試験片(ダンベルという)を
使って引張試験や曲げ試験で計測され、
摩擦摩耗は一定の面積量を対象に計測されます。
マクロな強度を説明するミクロな強度の計測はマトリックス材の強度や
強化材の強度を別々に測ることになり課題が多いです。

ミクロな強度試験の一つにMSE試験法があります。
基本的にマイクロメートルの粒子を大量に衝突させて摩耗速度を測る
方法で一個の粒子の損傷量は数ナノからサブミクロンと小さく
かつ少なく、しかしその試験面積は数百μmから1mmと広く、
一回の試験でマトリックス材と強化材を同時に測れます。
取得された試験データからはマトリックス材の強度と強化材の強度と
その平均化した強度などが得られます。
平均化した強度は強化材の強さに加えてマトリックス材との結合強度や
含まれる強化材の量などの結果情報が含まれています。
また、取得された摩耗曲線から強化材の表面露出度合いや
断面分布具合も観察可能になります。
摩耗寿命の因子としては強化材の表面露出具合の観察と
平均化された強度が参考になります。
強化材フィラーが小さくなると強化材単体の強度は測れなくなりますが
その混入量などに応じた平均化された強度の変化として現れています。

 
>>とりあえず親方 松原亨

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