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Palmeso Times
脆性材料薄膜に要求されるもの
TiN、TiAlN、DLC、またセラミックス溶射膜などの硬質薄膜は脆性材料でもあり、機械的性質は焼結などのバルク材と比べて一般的に弱いとされています。
限界材料として耐摩耗、耐熱、耐薬品の目的で利用されており、特に耐摩耗への要求は高くなっています。
耐摩耗が想定される利用環境は摩擦摩耗、エロージョン摩耗、衝撃摩耗などがあります。 それぞれ薄膜に加わる力因子や摩耗メカニズムに大きな差がありますが、外力に耐え得る曲げ強度や結合強度は共通して必要と思われます。
薄膜の機械的特性を特定するむずかしさ
脆性材料の機械特性には「硬くて脆い」などの2面性が存在します。
対象が薄膜ともなると、以下のような問題があります。
[1] 引っ張り試験・圧縮試験 →試験不可能
[2] 曲げ試験 →基材の影響で薄膜そのものを測れない
[3] 摩耗試験 →相手材などの試験条件設定が難しく時間がかかる
[4] スクラッチ試験
→膜厚と接触子形状の組合わせで変わり、数値が特性の何を示しているかわからなくなる
[5] 押し込み試験(硬さ試験)
→膜が薄くなると測定面積が極小になり面内バラ付きが拡大する
[6] MSE試験
→微粒子衝突を高分解能に精密に応用し脆性材料の薄膜であっても強さを数値化でき、表面から深さ方向に強さ分布を可視化できる。問題点としては硬さやヤング率などとの相関が分かり難い。
MSEの新たな試験法で材料強度の2面性を可視化
パルメソではMSEで2粒子を使った新たな試験法を提案しています。
これは同じ材料に多角粒子と球形粒子を使った2つの試験結果を総合し脆性薄膜材料の機械特性を多面的に示す新たな方法です。
さらに、MSEマップで多面的な特性をシンプルに可視化します。
2粒子試験では脆性材料を粒子間結合と空孔や欠陥を併せ持った複合材料と見立て、次のように数値化しています。
[1]多角粒子…均一な粒子結合の基礎的材料であるマトリックス材の強さ
[2]球形粒子…強化材や空孔や欠陥を合わせた強さ
MSEの2粒子試験法は材料間の比較を示すのみでなく、求める材料質や強さの位置づけと方向を示す指標(設計指針)となります。
実際の試験結果をご覧ください
関連のMSE試験事例は、下記のホームページをご覧ください。
1.「2粒子試験でみる硬質薄膜と基材の特性」
http://www.palmeso.co.jp/caseHardness-2.html
2.「DLC超薄膜」
http://www.palmeso.co.jp/caseThinfilm.html
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