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Palmeso Times

Vol.116 新潟県民えだまめ愛/材料の機械的特性の2面性を測るとは

<本号の話題>
◆思いつくままに:新潟県民えだまめ愛
◆少し役に立つこと:材料の機械的特性の2面性を測るとは
  
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 コラム: 思いつくままに
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<新潟県民えだまめ愛>

新潟県の枝豆の栽培面積は全国1位!
しかし出荷量は全国7位・・・。

理由は、あまりの美味しさで家族や知人で
食べてしまう為と言われています。
新潟県産枝豆の時期は5月から10月頃まで様々な品種があり、
それぞれ味も異なります。
県ではえだまめ王国というイメージを全国に広げる為、
枝豆のざる盛・大盛を「新潟えだまめ盛」と命名しています。

私の実家は新潟県内ですが、
ざる盛どころか大きなレジ袋にパンパンに入れられた茹で枝豆が
晩御飯の食卓にご飯のおかずとは別でドーンッと置いてありました。
このレジ袋盛りはもちろん一晩でなくなり、
次の日も新たに茹でられた枝豆袋がドーンッと置かれてました。

パルメソのある長岡市も枝豆愛が強く、2016年から毎年7月に
開催されている「世界えだまめ早食い選手権」があります。
東京でも予選会が行われ、たくさんの方が参加したそうです。
私はパルメソの仲間とチームを組み抽選に当たり出場しました。
世界選手権とあって、つわもの揃い。
早く食べるコツなどを研究して大会に臨みましたが予選敗退しました。
来年もチャンスがあればリベンジしたいです。

秋になりましたが肴豆などこの時期おいしい品種もあるので、
もう少し楽しめそうな枝豆を最後まで堪能しようと思います。

>>枝豆畑のリエッティ


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 コラム:少し役に立つこと
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<材料の機械的特性の2面性を測るとは>

MSE試験では材料に内在している「強さの2面性」を
評価できると謳っています。
今回はその2面性についてやさしく紐解いてみたいと思います。

試験方法は同じで投射粒子の形状と大きさを変えることで
異なる強さの数値が出てきてこれを強さの2面性と呼んでいます。
片方は粒子径1μm程度の破砕された粒子形状(多角粒子)を使用し、
他方は粒子径3~5μmの球形粒子(球形粒子)を使用しています。
 
多角粒子や球形粒子も衝突理論は、
高速加速された運動エネルギーは粒子質量の違いはあれども
1/2mV2で計算され、被衝突材料表面(試料表面)に衝突時に
表面加工エネルギーとして消費されるところまでは同じです。
しかし粒子形状の違いから材料表面に及ぼす作用効果が
異なることが試験結果の違いになります。
 
先ず1μm径の「多角粒子」の高速衝突時では運動エネルギーが
角部先端に作用してわずかな研削が発生して
わずかな研削粉の離脱を起こします。
このわずかな研削離脱の大きさは材料にもより異なりますが
1nm~数十nmと小さく例えば結晶材料であれば微結晶よりも
小さく、高分子であれば分子鎖の少しの集まり程度の大きさです。
材料は単結晶を除き内部には欠陥、コンタミ、強化材などの
強弱が存在していますがその影響は少なく、
損傷範囲が狭いため主なる材料の強さを測っています。
例えば鉄鋼ではα鉄とセメンタイトの複合材ですが
主にマトリックス材のα鉄の強さを測ります。
これは材料のヤング率系とも擬似相関しています。
 
対して5μm径の「球形粒子」の高速衝突時では
運動エネルギーがすべて試料表面に伝わり変形に使われます。
1粒子の衝突痕面積は多角粒子痕に比較して広く発生応力は
少なくなり弾性領域の場合での損傷おいては疲労破壊系となります。
疲労破壊系では材料内部の欠陥、コンタミ、強化材などを起点にした
クラック進展等に敏感で、結果としてエロージョン速度に現れます。
例えば単結晶材料に比較して焼結材料はネッキングや空孔が多くなり
その結果エロージョン速度が速くなります。
これは靭性系とも擬似相関します。
 
最後に材料の2面性の効果は外力の大きさや形態で材料寿命の傾向が判り、
例えば摩擦摩耗系では多角粒子の結果が、
衝撃摩耗系では球形粒子の結果が当てはまることになります。
また、材料内部の強さ情報から開発や改善の方向性示唆が
スクリーニングレベルで得られるメリットもあります。

○MSE試験 技術解説
 https://www.palmeso.co.jp/mse/technical
〇MSE事例閲覧
 https://www.palmeso.co.jp/mse/case/

>>とりあえず親方 松原亨

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