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Palmeso Times
<本号の話題>
◆思いつくままに:世界一の四尺玉
◆少し役に立つこと:MSE試験は材料の何を測っているか
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コラム: 思いつくままに
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<世界一の四尺玉>
新潟県内の私の地元の祭り「片貝まつり」が今年も盛大に行われました。
2日間にわたって巨大な四尺玉花火が上がるので有名です。
開催前にMSE装置の定期メンテナンスにて県外へ出張の際に
テレビから“世界一の四尺玉”のアナウンスが聞こえてきました。
「おっ、片貝まつりか?」とテレビを凝視していると
「こうのす花火大会」の紹介です???
「あれっ、片貝が世界一じゃないの?」と思いつつ
詳細は分からずじまいでした。
後日、そのことを思い出しネット検索。
これまでに四尺玉に関するギネス世界記録として、
「世界最大の打上花火」、「世界最大の花火」
「世界で最も重い打上げ花火」の3つが認定されているそうで
このうちの
「世界最大の打上花火」が 新潟の片貝まつりの正四尺玉
「世界で最も重い打上げ花火」が 埼玉のこうのす花火大会の四尺玉
とのことで、先日の疑問が解消されました。
ちなみにもう一つ豆知識として
「正四尺玉」は玉の直径が4尺(約120cm)ある場合、
「四尺玉」は打上げる筒のサイズが4尺の場合、
と明確に区別して呼び分けているそうです。
地元の花火だけでなく、他の場所での花火大会に
出かけて鑑賞してみるのもありかなと。
>>ダナゾ 佐藤
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コラム:少し役に立つこと
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<MSE試験は材料の何を測っているか>
これは良くいただくご質問です。
「強さを測ります」と答えると「どのような強さですか」と問われます。
硬さですかとも聞かれます。
答えは言葉で表現すると
「材料の粒子投射エロージョン耐性(強さ)を測っている」
と言いますがちょっとわかりにくいですよね。
今回はここをかみ砕いた説明を試みます。
およそ100m/秒に加速された1μm程度の粒子が材料の表面に衝突すると、
1個の粒子直径の1/10~1/100程度の大きさの衝突痕ができます。
この原理で□1mm断面のノズルから1gの重さの微粒子を投射すると、
1μm径の粒子の数は単純計算でおよそ3千億個の大量投射になり、
深さが数~数十nmと浅く均一な除去表面ができます。
この時の加工深さと投射量の関係が強さの指標となります。
強さの指標はエロージョン率又は逆数にしてMSE抵抗値となります。
今回の話題、MSE試験は材料の何を測っているか、とはすなわち
強さの指標であるエロージョン率はどんな強さを示しているかとなります。
上段の説明から、ある重さの粒子(質量m)を高速(速度V)に加速すると
1/mV2の速度エネルギーになったものが、材料に衝突することで
ある深さを加工除去(深さμm)する結果が生まれる関係です。
本試験の特徴はある重さの粒子1個が1μm径の分散体で
ナノメートル研削の総和が測れる程度の深さ加工が可能なことにあります。
よって、MSE試験は粒子高速衝突のエネルギーによる
材料の研削しやすさ又は研削しにくさを測っていると言えます。
これは分子や結晶の結合強度を示しているとも示唆されています。
引張試験は静的なひずみと応力の関係から
ヤング率や降伏点及び破断応力を示します。
硬さ試験は押し込み荷重と永久変形の関係から
永久変形のしにくさを示します。
両者ともに静的で力の尺度の試験法になり、
対してMSE試験は動的でエネルギー尺度の試験法となり
異なった指標で材料特性を評価する方法になります。
少しわかりやすい比較説明ではMSE試験は引張試験の破断までに
要したエネルギー総和に近く、
ただし高速引張試験との前提になります。
最後に、MSE試験は引張試験や硬さ試験と
相関する場合も異なる場合もあります。
材料には様々な強さが含まれていることの表れで、
だからこそ必要な試験となります。
その上で、断面の連続した精密強さの計測は内部の強さ分布や
界面の強さ特性などのアドバンテージがあり、
SEM、XPS、FT-IRなどの分析データとの比較が可能になる特徴があります。
○MSE試験 技術解説
https://www.palmeso.co.jp/mse/technical
>>とりあえず親方 松原亨