Vol.082 りんごと技術とみんなの笑顔/材料内の欠陥をなくしたら強さが向上するか
<本号の話題>
◆思いつくままに:りんごと技術とみんなの笑顔
◆少し役に立つこと:材料内の欠陥をなくしたら強さが向上するか
============================================
コラム: 思いつくままに
============================================
<りんごと技術とみんなの笑顔>
毎朝朝食にりんごを食べています。総務のバーバラです。
私の朝りんご生活はかれこれ10年にもなります。
秋に収穫されたばかりのりんごはとっても美味しいですよね!
蜜入りも収穫後ならではのお楽しみだしいつもその時期が楽しみです。
ですが時が過ぎ梅雨時のこれくらいになると
収穫直後はシャキシャキしていて甘く香り高かったりんごも
歯ごたえがもったりしたり渋みが加わったりと味が落ちてきて
いつも残念な思いをしています。
なおかつお値段も高いという。
でもここ最近、りんごの美味しい時期が長くなってきたように感じています。
この時期でも美味しいものに出会えることが多くなってきました。
同じ商品を買っても若干の当たりはずれはあるものの、
たまに当たる美味しいりんごは幸せな気持ちにさせてくれます。
ちょっと調べてみましたが、
長く美味しく食べられるようになった秘訣は貯蔵時の酸素濃度とのこと。
以前からある長期保存の方法のようですが、
ずっとりんごを食べ続けている私が気づくくらい
美味しい時期が長くなって来ているので
年月を経て保存方法の技術が進化しているのかもしれませんね。
私もパルメソで材料の技術進化を日々目の当たりにしていますが、
りんごが美味しく食べられるようになって私がうれしいように、
パルメソが関与させていただいた技術が多くの人に届いて、
うれしく思う方がたくさんいらっしゃるといいなと、
そう思うとこの仕事をしていて誇らしい気持ちになったり。
話が飛び過ぎました!
一番最近の当たりりんごは、イオンで売っていた5個入りのもので、
5種類の品種の小ぶりなものが1個ずつ入っているのですが、
なんとこの時期にも関わらず全てがシャキッとしていておいしかったです!
普段あまり行かないイオンでしたが、りんごのために最近足しげく通っています。
全国の店舗でも扱っているのでしょうか?
この時期の美味しいりんごに出会いたい方はぜひお試しください。
>>総務のバーバラ
============================================
コラム:少し役に立つこと
============================================
<材料内の欠陥をなくしたら強さが向上するか>
前回から続いて材料の強さを進めます。
○メールマガジン:限界設計と材料均質性
https://palmeso.co.jp/1636/
以前、材料はピュアーになるほど強くなる傾向があると書きました。
これは材質的に均一で結晶構造も整然と並んでいる又は
アモルファス状態が均一に分布していることを指します。
ところで強い弱いの判断はどの様な強さを指しているでしょうか。
一つはヤング率が高いことで変形しにくい指標、
一つは降伏点が高いことで許容負荷応力が高くなる指標、
一つは破断強度が高いことで変形後の粘りがあり破断しにくい指標、
一つは靭性が高いことで衝撃耐性が高い指標などがあります。
これらは混同されて使われていることが多く
目的や必要な強さをよく確かめることが肝要です。
材料は結合強度(共有結合、イオン結合、金属結合、水素結合など)が
材質でおよそ決まっていて上記の多くの指標が固有なものになっています。
ところで同じ材質でも強さが異なる材料があります。
そもそも材料は製造由来のミクロ的には結合の乱れや結合自体を
弱くする要因が内在しているため弱くなるとされていて、
それらを欠陥とします。
これらの欠陥は単結晶(ピュア―)材料に比べて弱くなる傾向にあり、
欠陥量に比例して強さが変化する傾向になります。
例えば結晶粒界や内蔵する異質粒子や空孔などの微細な穴などが
それにあたります。
よって、これら結果を取り除けば強さは強くなるといえます。
しかし、実用材料として、単結晶材料は製造が難しく
高コストかつ生産量が少ないなどの課題があり、
それなりに欠陥を許容した材料として流通しています。
このような課題に対処した材料が合金材料やフィラー等を混入した
複合材料になります。金属などでは合金にすることで材料自体を強くすると
ともに粒界に強い析出物や粒界を多くするなどで強さを向上しています。
複合材は粒界の代わりにフィラーを混入し伸びの制限やフィラー自体に
強さを受け持つ役目を持たせて強さを向上しています。
ところで、これらが薄くなると(薄膜や塗布及び表面処理)強さの変化や
向上度を測ることが難しくなります。また計測も難しくなります。
ここにMSE試験は出番があります。
興味のある方は是非チェックしてみてください。
○MSE試験 技術解説
https://palmeso.co.jp/mse/td/
○鉄鋼材料の窒化処理工法違いの断面強さ分布調査
https://palmeso.co.jp/mse/2040/
○市販メガネレンズのコーティング膜強さ分布調査
https://palmeso.co.jp/mse/2030/
>>とりあえず親方 松原亨