TOPメールマガジン Vol.078 チョコミュニケーション/限界設計と材料均質性

Vol.078 チョコミュニケーション/限界設計と材料均質性

DATE:2023.02.16
Category:メールマガジン

<本号の話題>
◆思いつくままに:チョコミュニケーション
◆少し役に立つこと:限界設計と材料均質性
  
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 コラム: 思いつくままに
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<チョコミュニケーション>
 
2月14日はバレンタインデー♡
女性が男性へチョコレートを贈るという日本特有の文化でしたが、
近年では多様化が進み、少しずつ形態が変わってきているようです。
 
我が家では毎年、妻と長女からチョコレートをもらい、
ホワイトデーにお返しをする、家族のコミュケーションツールとなっています。
これぞチョコミュニケーション!
皆さんもチョコミュニケーションしていますか!?
 
今年、長女からもらったチョコは「VESTRI」という
イタリアの高級チョコレートで、なんと金色のスプーンで食べるのです。
洒落てるなあ、私より感覚が大人だなあと感心しながら食べると、
子ども舌で安いチョコ好きの私でもわかる大人の美味しさでした。
 
そんなチョコに付いていた金色のスプーンは
なんと職人の町とも言われる新潟県燕市で製作されたもので、
食べた時に美味しさをより感じるように
先が少し薄く加工されているとのことです。
これを意識すると余計に美味しく感じる気がしました。
 
他のデザートを食べるときにも金色のスプーンを使い、
より美味しさを感じながら幸福を味わうことにします。
 
「にゃお~ん(私にもチョコくれ~)」
と言われても我が家の次女(猫)はチョコを食べられません。
カフェインなどで中毒症状になってしまうので。
いつもの大好物のチュールで満足してもらうことにしましょう。
 
>>キャットファーザー 監物
 
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 コラム:少し役に立つこと
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<限界設計と材料均質性>
 
限界設計というと、ロケットや飛行機そして自動車など、
最近はドローンも同じように軽くするための限界設計、
地球掘削ビットや切削刃物など耐摩性を突き詰めた限界設計などが
挙げられます。これらは材料力学的な構造設計(形状なども含む)と
材質・材料的な選択設計によって進められます。
今回は材質・材料的に絞ります。
 
強度は一義的には材質で決まりますが、この材質に問題が内在します。
同じ材質でも単結晶レベル、格子や高分子レベルの欠陥、内部に気泡や
コンタミの存在、スポンジ状の構造材料などの順に強度が低下します。
樹脂であれば100%所定の高分子、
未反応なモノマーの量の順に強度が低下します。
例えば、アルミと酸素が結合したアルミナセラミックスでは
強度のチャンピオンは単結晶アルミナ(サファイア)で以下蒸着膜や
高品質焼結及び通常焼結(空孔が多数)の順に強度が低下します。
この強度の低下はMSE試験では耐衝撃性や靭性傾向に顕著に現れ、
硬さやヤング率傾向の変化は少ない結果になります。
 
また同じ材質のくくりでは添加剤や微量の他元素が入っていると
強度が強い方にも弱い方にも変化し、積極的に添加されている材料があります。
また繊維状のフィラーを混ぜ込んだ繊維強化材料もあります。
さらに耐摩耗性の向上を図った硬質粒子などを混ぜた複合材などもあります。
これらは広く複合材ととらえられ基本材質をマトリックスとして、
添加や混合物を強化材といいます。このような材料は
全体が均一濃度で混ざっていないと正規の強度にならないばかりか
局所的な弱さが存在するとそこに応力集中が発生してしまい
限界設計の対象材料にはならなくなってしまいます。
 
MSE試験ではこのような分子結合強度や欠陥の量及び複合材の量や
均一度などによる強度変化にかなり敏感な試験法です。
特に硬さやヤング率傾向の変化なのか靭性や耐衝撃性傾向の変化なのかは
有用なデータになるかと思います。
限界設計での材料評価にお試しあれ。
 
○ヤング率傾向と耐衝撃性傾向の可視化できるMSEマップ
 ページ後半の 6)をご覧ください。
 https://palmeso.co.jp/mse/td/
○試験事例:硬質薄膜の強さと基材の影響を2条件試験で調査
 https://palmeso.co.jp/mse/1983/
○試験事例:2種類の超硬チップ表面コーティングの膜性質分析と耐久性考察
 https://palmeso.co.jp/mse/1994/
 
>>とりあえず親方 松原亨