TOPメールマガジン Vol.094 異世界へ続く関越トンネル/3層塗装膜の劣化度合い比較 ~課題解決シリーズその5~

Vol.094 異世界へ続く関越トンネル/3層塗装膜の劣化度合い比較 ~課題解決シリーズその5~

DATE:2024.06.06
Category:メールマガジン

<本号の話題>
◆思いつくままに:異世界へ続く関越トンネル
◆少し役に立つこと
 :3層塗装膜の劣化度合い比較 ~課題解決シリーズその5~
 
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 コラム: 思いつくままに
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<異世界へ続く関越トンネル>
 
関越自動車道の新潟県と群馬県の県境には
標高1,977mの谷川岳を貫く関越トンネルがあります。
全長約 11 kmの長大なトンネルで、2015年3月に東京都の
山手トンネルが全線開通するまでは日本一長いトンネルに輝いておりました。
関越自動車道を下り新潟県にお越しになったことのある方の中には、
「そういえばやたらと長いトンネルを通ったなぁ」と
記憶されている方もおられるのではないでしょうか?
 
真冬にこのトンネルを通ると、
入る前と出た後での気候の違いを実感することができます。
新潟県側から入りトンネルを出ると、まるで世界が変わったかの様に、
それまでの終始雪が降り空は雲で覆われた白雪の風景が影を潜め、
見渡す限りの青空とそれを彩る白い雲が広がる快晴の風景が現れます。
 
それを見ると、川端康成の小説『雪国』の一節
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」を思い出します。
(作中のトンネルは上越線の清水トンネル)
新潟から出て関東・中部の天気の良さに慣れると、帰路、
厚い雲を背にした谷川連峰が迫り来る様を見て、
「あぁ、また雪国に戻るのだな」と若干メランコリックな気分となる
ことがあります。
(勿論、雪国には雪国の良さがあるしすぐに日常となるのですが)
 
冬に関越自動車道で新潟へお越しの際は、
長い長い関越トンネルとその前後でのくっきりとした風景の違いを
頭の片隅に置いて頂くのも一興かと思います。
 
>>カニ喰った最初の友達にしか聞こえない 藤井
 
 
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 コラム:少し役に立つこと
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<3層塗装膜の劣化度合い比較 ~課題解決シリーズその5~>
 
皆様の抱えている課題解決にMSE試験利用効果の参考になればと
~課題解決シリーズ~と題して具体的事例を題材に紹介していきます。
今回はその5回目です。
 
「具体的事例 / 3層塗装膜の劣化度合い比較」
 
お客様からの依頼で塗装の耐久性評価に取り組んでおり、
鋼板に塗装された3層塗装膜において劣化度合いの違う2検体の
上塗りと中塗りの界面密着性違いを比較したいとの相談を受けました。
 
そこでMSE試験での調査を試みました。
試験条件はわずかな強度差を敏感にキャッチ可能な脆さを測る条件を
設定して詳細な強さ分布を取得し強さの変化様相から密着性を評価しました。
 
結果、表面から中塗りまでの連続した強さ分布から
劣化後の上塗りと中塗りの層自体の強さは
両者とも上塗りが弱く中塗りは強い構成で同じことがわかりました。
しかし、その界面は一方において上塗りから中塗りにスムースに強さ変化があり
他方では界面の中塗り側に弱いピークを示す層が見つかりました。
このように劣化進行によって中塗りの層内に違いがあることがわかりました。
 
強さ分布の分析から劣化進行による変化の違いは中塗りにあり、
不良品は劣化進行とともに層内に局所的な欠陥が散在するようになり、
この欠陥から剥離等の進行がするものと推定されました。
 
お客様からは、
実機試験とプルオフ試験とサイカスの評価が相反する結果で悩んでいたが、
MSE試験結果は剥離した部分の分析から中塗り部の凝集破壊している結果と
合致しており、実機試験結果と整合が確認されたと喜びの言葉を
いただきました。
 
≪これまでの課題解決シリーズ≫
○塗料のバインダー違いによる塗膜強さの比較 ~課題解決シリーズその1~
 https://palmeso.co.jp/1686/
○金属基材上の樹脂塗膜の密着性 ~課題解決シリーズその2~
 https://palmeso.co.jp/1724/
○PVC材料の薬品による劣化 ~課題解決シリーズその3~
 https://palmeso.co.jp/1736/
○ポリエチレン(PE)のリペレット前後の強さ変化 ~課題解決シリーズその4~
 https://palmeso.co.jp/1774/
 
>>パルメソの小野田坂道こと田村敏則