TOPメールマガジン Vol.071 弥彦山で体力UP!/薄膜の界面は測れるか

Vol.071 弥彦山で体力UP!/薄膜の界面は測れるか

DATE:2022.09.08
Category:メールマガジン

<本号の話題>
◆思いつくままに:弥彦山で体力UP!
◆少し役に立つこと:薄膜の界面は測れるか
 
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 コラム: 思いつくままに #新潟の山々
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台風の接近で暑い日が続いた新潟ですが、朝晩は秋の訪れを感じる
気候になってきました。秋、山へ向かうには良い季節ですよね。
今回から2回に渡って新潟の山々をご紹介していきます!
 
 
<弥彦山で体力UP!>
 
長岡からそう遠くない所に「弥彦山」という山があります。
今回はその山を紹介したいと思います。
 
この山は遠くから眺めてヨシ!歩いて登ってヨシ!車で走ってヨシ!の
地元なら大体の人が知っていると思われる山です。
標高は634m、あの有名なスカイツリーと同じ高さ!なのはただの偶然です。
海沿いにあるので山頂からは日本海も新潟平野も見下ろせます。
 
子供の頃から学校行事などで登っている親しみのある山ですが、
大人になるにつれ登る機会はなくなりました。
ここ何年か体力づくりに懐かしの弥彦山までサイクリングや登山なんて
ちょうどいいかな?なんて何となく思っていたら、
去年うちの子供が通っている習字の先生(たぶん80歳はとっくに超えている)
が自転車(しかもママチャリ!)で弥彦山に行き、
歩いて登ったと子供から聞きました。
そこで「よし!じゃ俺も行くかー!」と、
自分も自転車(ママチャリより楽なクロスバイク)で弥彦に行き、
歩いて登るようになりました。
 
どちらかというと目的は登山よりサイクリングだったのですが、
登山は朝早い時間の空気の新鮮さ・鳥の鳴き声・春は新緑の匂い・秋は紅葉と、
いろいろな楽しみを発見するようになり、毎週行くようになりました。
登山道のほとんどが木に覆われているため、
雨が降ってもほとんど気になりません。(山までは車です)
 
いつも通る登山道は平坦な部分が少なくそこそこハードなのですが、
登るたびに山頂までが楽になり、体力がついてきているのを実感しています。
(ただの慣れかも?)
 
年齢的に体力は落ちていく一方だと思われるので、
身近な弥彦登山を楽しみながら健康と体力を維持し、
これからも仕事や遊びを楽しみたいと思っています。
 
>>にわか登山好き 原山
 
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 コラム:少し役に立つこと
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<薄膜の界面は測れるか>
 
界面とは異物質間にある境界面のことを指し、
その厚さは分子レベルから数百μmと厚いものまであります。
モノつくりの圧倒的な幅広い分野に使われている薄膜は
半導体そのものから、電子部品、自動車、航空機、船舶と
あらゆる分野に使われています。
その製造方法は超精密分野では真空蒸着、程々はめっきや反応析出などの
電気化学的反応、マクロでは塗装のようなスプレーや塗布もあります。
このような界面の特性は強度や機能及び耐久性や密着強度などを要求されています。
 
界面の分析は機械的なものと機能的なものに分けられます。
機能的な部分は多岐に渡りかつ化学的でもあり不得意な分野のため、
今回は機械的分野に絞って進めます。
先ず薄い界面は単体で取り出すこともできず、また異材質間に挟まれていて
その前後の異材質の影響で界面自体の機械的特性を正確に評価することは
困難を極めます。
主なる評価法は実用レベルの耐久試験に持つ・持たない、
外部からの力で剥離力を加えてマクロで剥離荷重を計測、
表面が単膜の場合は密着試験が使え、テープ剥離法や鉛筆試験及び
スクラッチ試験等があります。
いずれの方法も界面の両側にある異材質の影響を受ける方法で、
界面単体の強さの数値化等は出来ていません。
 
最近の薄膜技術を使った部品製品はこれまで以上に小型化、高機能化、
高負荷が求められていて、界面の評価は数値化が求められます。
例えば高温発生や、使用環境が過酷の場合はその影響による
界面の強度変化様相のみでなく界面近傍(界面の前後)の変化様相の
数値化を求められています。品質保証には重要な項目となっています。
このような評価は超高分解能な機械的特性試験が必要で、
例えば断面(斜めカットも含む)をナノピッチで機械的特性を測る、
表面を高精度で除去しながら新しく出た面を高分解能で機械特性を取る、
などの方法で薄い界面の断面強度分布が必要になります。
ナノインデンテーションは前者にあたり、MSE試験は後者にあたります。
 
MSE試験は表面から数ナノレベルで削っては測り削っては測りの繰り返しで
高分解能な耐削りにくさの連続分布を高分解能で取得できます。
この削れにくさは強度の尺度でエロージョン率として、異材質から界面また
異材質とサンドイッチ状の積層でも連続した断面強度分布が取得できます。
例えば劣化変質の特定の場合は、この強度分布が劣化度合いとどの位置がどの程度
変化しているかを見ることが出来、耐久性や材料選択評価などに役立ちます。
もちろん、界面単体(程度の厚さは必要)も連続の中から抽出することで
数値化可能です。お試しください。
 
MSE試験で界面を抽出できた事例
光学薄膜  https://palmeso.co.jp/mse/2017/
メガネレンズ https://palmeso.co.jp/mse/2030/
 
>>とりあえず親方 松原亨