TOPメールマガジン Vol.070 音楽文化の温故知新/薄膜は均質であるか

Vol.070 音楽文化の温故知新/薄膜は均質であるか

DATE:2022.08.25
Category:メールマガジン

<本号の話題>
◆思いつくままに:音楽文化の温故知新
◆少し役に立つこと:薄膜は均質であるか
 
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 コラム: 思いつくままに
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<音楽文化の温故知新>
 
「歌ってみた」って知ってますか?
 
歌を歌いたい人が自分や他人の曲を歌った動画を
Youtubeなどの動画共有サイトに投稿することをいいます。
この「歌ってみた」を中心に活躍する歌手を「歌い手」と呼びます。
この夏、映画ワンピースの主題歌を歌ったAdoさんが歌い手として有名ですね。
 
カバーされる曲はよく聴くヒット曲だったりボカロPの曲が主流です。
ボカロPというのはボーカロイドというソフトで作曲する作曲家のことをいいます。
大人気のシンガーソングライター米津玄師さんが
ハチという名前でボカロPをしていたのが有名です。
 
子どもが歌い手にハマったことをきっかけに、
私も歌ってみたとはなんぞやと興味を持つようになりました。
「本家」と呼ばれる大元の動画で聞くと、
ボーカロイドの歌声での楽曲が聞けるのですが、
生身の歌手が歌う歌と違って聞きなれなく、またたまたま早口の曲調が
重なったりして何となく耳に入ってこなかったのですが、
歌い手さん達がカバーしている「歌ってみた」を見ていくと
それぞれの個性を感じて聞き比べるのが楽しく、
たくさん聞いているうちに楽曲自体も好きになっていました。
 
ところで私は、東京にいたころ六本木や横浜のジャズクラブに
よく出入りしていたくらいJAZZが好きなのですが、
歌ってみたはJAZZと共通点が多いように感じます。
 
JAZZの世界では、スタンダードと呼ばれる50年も100年も昔の名曲を
今も昔も様々なアーティストが独自のアレンジで演奏しています。
1つの曲をいろいろな解釈で様々なアーティストが演奏する。
同じ曲でも毎回新鮮。それが醍醐味です!
パフォーマンスの舞台がWeb上にある完成された動画ファイルか
アドリブによる生演奏かという違いはありますが、
ボカロPと歌い手による歌ってみた文化はまさに
JAZZの発展形であると感じるのです。
長岡という田舎にいてもネットさえあれば楽しめるところも助かっています!
「歌ってみた」もこの先何年も名曲が歌い継がれていくのかなと考えると
ますます好きになりそうです。
 
>>総務のバーバラ
 
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 コラム:少し役に立つこと
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<薄膜は均質であるか>
 
今回はMSE試験からみた薄膜の均質に関して整理してみます。
MSE試験では摩耗形状の重ね合わせから膜断面の強度分布が観察され、
試験深さ毎の投射粒子摩耗後の表面粗さが取れ、
強度分布から表面からの強度分布が取れる。
この2系統の情報から薄膜断面における強度ベースの均質度合いが評価できます。
 
薄膜の範囲は広く、
用途別では負荷の激しい金型やロール及び切削チップ向け、
摩擦摩耗性能の向上系では回転軸やスライド面及びエンジン部品向け、
機能系では光学薄膜や触媒及び色彩向けなどがあります。
各々の用途に合った強度は勿論として品質が求められているが
現実には生産性やコストなどの総合判断で品質もリーズナブルに
決められていると想定されます。
しかし、品質の評価は測ることの難しさもあり適切な評価基準が数値化
されていないとも想定されます。
 
硬質薄膜の強度は膜質に直結していて、
たとえば材質が決まるとその単結晶がヤング率、硬さ、靭性の
チャンピオン数値になります。対して現実の薄膜は成膜法や成膜条件や
ドロップレットや結晶成長構造及び不純物混入などでチャンピオン質から
低下傾向を示すことが知られています。
成膜法は多くの方法がある中で、厚膜系は高速成膜が選択され、
光学系の薄膜はフィルタード成膜法、単結晶成膜はエピタキシャル成長が
選択されています。
均質や単結晶系の均質成膜は成膜時間が長くコストも高い傾向があります。
 
MSE試験はこれらの成膜結果時の膜均質性や欠陥等及び強度の分布比較が
数値化できます。
装置や材料が決まった時に、また使われる場所の品質合意に合わせた
プロセスの実力を確認するには多岐に役立ちます。
このMSE試験結果と分析(SEM、XPS、FT-IR等)結果と併せて総合評価する
ことで薄膜の性格をかなり把握できます。
 
下記ページ中程の「03 5)MSE試験で取得できる基本的な情報」をご覧ください。
https://palmeso.co.jp/mse/td/
 
下記ページ中程の「03 3)エロージョン形状の重ね合わせ図」をご覧ください。
https://palmeso.co.jp/mse/cts/
 
>>とりあえず親方 松原亨