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Vol.057 ボドゲdeコミュニケーション/容易に剥離可能な塗膜を測ってみました

DATE:2021.12.16
Category:メールマガジン

<本号の話題>
◆思いつくままに:ボドゲdeコミュニケーション
◆少し役に立つこと:容易に剥離可能な塗膜を測ってみました
   
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 コラム: 思いつくままに
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<ボドゲdeコミュニケーション>
 
昔、昼休みに直属の上司の方とボードゲームでの対戦が日課となっていた
時期がありました(ちなみに会社はパルメソですよ)。
遊んでいたのは『ロストシティ』というボードゲーム。
簡素なボードと5色の数字カード(2~10)を使って遊ぶゲームです。
基本的なルールは、同じ色の数字カードを並べてその合計額を競うというもの。
モチーフは遺跡探検で、プレイヤーは遺跡を発見し富と名声を得る探検家
というイメージです。
 
各色は、黄:砂漠のピラミッド、青:深海の宝物、…という様にそれぞれ
モチーフが割り振られており、カードやボードの絵柄に反映されています。
数字が大きくなるにつれてカードの絵柄も変わっていき、
探検が進む様子が描かれます。
 
主なルールとしては、
1.数字カードは昇順にしか並べられない
2.1枚でも数字カードを並べれば、-20点の負債を背負う など。
 
小さい数字から並べ始めるほど高得点を狙えますが、
20点以上の得点見込みが無ければそれはリスクを背負うことになるわけです。
 
ゲームをするたびに、お互いのカードを読み合い・心理戦が発生する、
自然とリスク評価や行動計画を練ることになる、
プレイの仕方に相手の性格が出る、自然と会話できる等の為か、
お互いに楽しんでゲームをすることが出来ました。
 
そのおかげか、上司の方とはお互いに“いい意味”で気兼ねなく
業務上の相談等が出来る関係になれたと思っています。
部署の人数が増えたりして自然とやらなくなってしまいましたが、
機会があればまたやりたいですね。
 
上司の方による私のプレイング評:意外と狡い戦法を使ってくる
 
気になったらネット通販などで簡単に買えるので遊んでみて下さい。
(アプリ版もあったはず)
 
P.S. 
最近の悩み:世界的半導体不足で発売から1年経っても
PS5が全く買えないこと(実在する?)
「エルデンリング」をプレイしたいなあ!
 
>>PS5難民 藤井
 
 
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 コラム:少し役に立つこと
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<容易に剥離可能な塗膜を測ってみました>
 
服を着替えるように塗膜も簡単に塗り替えたい。
そんなニーズから容易に剥離可能な塗膜がありますよね。
剥離可能な塗膜は基材とは吸着してくっ付いているようなイメージとの
ことで、剥離せずに上手く測れるかどうか・・・
今回はMSE試験で容易に剥離可能な塗膜と一般的な熱硬化型塗膜の強さを
比較してみました。
 
まずは、一般的な熱硬化型塗膜の強さを測る試験条件で剥離可能な塗膜を
測ってみたところ、塗膜がめちゃくちゃ強くてエロージョンの進みが遅く
塗膜表面から基材までを測るには試験条件の投射力が弱すぎました。
単純計算で剥離可能な塗膜は一般的な熱硬化型塗膜よりも
エロージョン率で約7倍強かったです。
 
【エロージョン率の説明:MSE試験技術解説】
https://palmeso.co.jp/mse/td/
 
そこで剥離可能な塗膜の強さ分布を測るために、
投射力を強くした試験条件で、塗膜表面から基材到達までの深さ約250µmを
分解能約2µmずつ狙いのセッティングで試験してみました。
結果、塗膜が剥がれることなく上手く強さ分布データが取得できました。
 
塗膜の強さの分布は複数の領域に分かれていて、塗膜途中から基材手前
までの約40µm厚の中に強さの違う3つの領域がありました。
特徴的なのは、塗膜と基材の界面部の強さは塗膜よりも少し弱い程度で
良好だったこと。それよりも基材より約40µm手前の膜内に
最も弱いピークがあったという興味深い結果でした。
ちなみにメーカー違いの剥離可能な塗膜を測ってみたところ更に強く、
先に試験した塗膜よりも4倍近く強い結果でした。
そして、塗膜と基材の界面部の弱さよりも、
基材より約40µm手前の膜内に最も弱いピークがある分布は同様でした。
・一般的な熱硬化型塗膜と比べて容易に剥離可能な塗膜がめちゃくちゃ強い理由は・・・。
・塗膜途中から基材手前にかけての強さ分布と容易に剥離可能なこととの関係は・・・。
 
今回のように、これからどんどん多様化していく新材料を
MSE試験できることにワクワクドキドキでがんばります!
 
【参考になる試験事例】
自動車塗装 プロセス違いの比較評価
https://palmeso.co.jp/mse/1514/
有機コーティングの配合比と強さの関係調査
https://palmeso.co.jp/mse/1511/
 
>>パルメソの炭治郎 石附 尚