Vol.038 私のわらしべ長者物語/SEMは段差や濃淡で観察
本号の話題
◆思いつくままに:私のわらしべ長者物語
◆少し役に立つこと:SEMは段差や濃淡で観察
思いつくままに:私のわらしべ長者物語
弱虫ペダルの小野田坂道と名乗っております通り、自転車が大好きです。
入門は坂道と同じく通勤用のママチャリから始まりました、
なぜママチャリからロードバイク乗りになったかが結構面白いのでお話します。
最初のママチャリ(正確には折り畳み自転車)は、親戚の法要の香典返しで手に入れました。
通勤に使っていたのですが、住んでいた藤沢市の湘南台には境川という川沿いに江の島までサイクリングロードが整備されていて、
物は試しと走ってみた後、「ママチャリで江の島・鎌倉まで行ってきたよ」と得意げに後輩に言ったら、
貧乏な先輩が可哀そうになったのか、乗らなくなったマウンテンバイクを譲ってくれました。
いい後輩を持ったなと感謝しながら、マウンテンバイクに乗り始めたら…
以前バイク乗りに二輪車は前ブレーキで止まるものだと教えてもらっていたので
ママチャリでは前ブレーキで停止する癖がついていて、
忘れもしない藤沢市街の遊行通りの交差点で急ブレーキを掛けたら、そのまま前転して顔面着地!
幸い着地寸前で手を着いたので大きな事故にはなりませんでしたが、額に裂傷を負い救急搬送。
その晩、そういや生命保険に入ってたけどなんかサポートないのかと思い、保険屋に聞くと、
「裂傷の縫合には補償は無いですが、顔に傷跡が残った場合は後遺症として保険が出ます」とのこと。
後遺症と確定する6ヶ月後、額には傷跡有り、いそいそと病院に行き、傷が残った診断書を書いてもらい、
結構な額の保険金を頂きました。
その週末に、自転車へ行って念願のロードバイクを手に入れサイクリストの仲間入り。
これが、少し痛い思いをしましたが、香典返しのママチャリがロードバイクに化けた私のわらしべ長者経験です。
幸い額の傷は綺麗になくなりましたが、皆さん絶対真似はしないでくださいね。
>>パルメソの小野田坂道こと田村敏則
少し役に立つこと:SEMは段差や濃淡で観察
走査電子顕微鏡(SEM)は目の拡大を助けてくれ、
その見える小ささはミクロン(1mmの千分の1)、ナノメートル(1ミクロンの千分の1)にもなります。
野口英世もびっくりの小さい世界が見えるようになりました。
その見え方の良し悪しは、実は試料の観察面の仕上げレベルで決まることは知っていましたか。
どんなに性能が良くても試料の表面加工(前処理加工という)が悪ければ見たい画像が見えなくSEMの性能を発揮できません。
逆に前処理が良くてSEM性能が良ければ鬼に金棒かもしれません。
「見たい表面を見る」というと簡単ですが、見えるようにするにはポイントがあります。
一般的にSEM用の前処理は「鏡面」と呼ばれる平坦さが求められます。
平坦であればあるほど精密な信号をキャッチできる特性があり、より鮮やかにシャープな画像が取れることになります。
そうはいってもSEMは電子線の反射で見る原理で、わずかな段差や濃淡の有り無しがやはりシャープな画像に大きく影響します。
分解能に影響しないわずかな段差はSEMからみると欲しい試料表面になります。
試料加工方法は「鏡面」を目的としたものが多く、
研磨やポリッシング、鋭い刃物でカット、電子・原子によるエッチングなどがあります。
多くの試料加工の表面には様々な材料が混在していて、
強さや軟らかさ異なるものを平らにすることは大変な技術と技能(技)が必要になります。
苦労して平らにしたうえで微小な段差作成やわずかな不良部の除去を行ってSEMにセットします。
さて弊社のPERET(ピーレット)ですが、微粒子の投射加工でできた研磨面は顕微鏡レベルではわずかな凸凹があり
全体が緩やかに窪んだカーブ状に作成されます。
SEMの観察サイズで見ますとほぼ平坦でわずかな凸凹がある状態にあります。
ものにもよりますが10,000~50,000倍でも問題なく観察が可能です。
特徴的なことは、例えば結晶レベルで材質変化があるものや強化材としてのフィラーや材料が混合されているものなどは、
その材質違いが研磨速度違いになり軽い段差ができます。
この段差がSEM画像をシャープに映し出すことにつながります。
お確かめください。トライをしてみてください。
斜め研磨のPERET(ピーレット)
http://palmeso.co.jp/peret/
>>とりあえず親方 松原亨
最後までお読みいただき、ありがとうございました。