TOPメールマガジン メルマガvol.6 めっき前の樹脂改質の特徴を可視化できる?

メルマガvol.6 めっき前の樹脂改質の特徴を可視化できる?

DATE:2018.05.30
Category:メールマガジン

めっき前の表面改質に注目して、
「より目的に沿う改質条件を選ぶために改質の特徴を可視化できるのか」
これを試みました。

めっき前の樹脂表面改質層の強さ分析

ABS樹脂に3種類の表面改質処理をしたものを、MSE試験で比較評価しました。
ぜひ、ホームページのグラフを見ながらお読みください。
http://www.palmeso.co.jp/caseResinsurface.html

目的

めっきの密着性向上を目指して、樹脂の表面改質度合を精密に分析し、傾向を探索します。材料は1種類、処理は3種類です。

材料:ABS樹脂
改質処理             処理時間
【A】オゾン           [ 10min , 30min , 120min]
【B】ケミカルエッチング     [ 1nin , 10min , 30min]
【C】UV             [ 5sec , 30sec , 600sec]

エロージョン率分布グラフで高分解能比較

試験結果の「エロージョン率(強さ)分布グラフ」からは 改質度合いや改質の深さ分布を高分解能で比較出来ました。
(エロージョン率とは、エロージョン深さ/試験粒子投射gです。右に行くほど弱い分布です。グラフは対数で表示しています。)

【今回の試験条件】
試験粒子 多角アルミナ粒子(d50 = 1.2μm)の1/100投射力による高分解能試験となっております。
高硬度 超微小径多角粒子の衝突によるエロージョン率は、材料のミクロ(小範囲)な強さを示しています。
有機材料では【硬い】(≒伸びない)ほどエロージョン率が大きくなります。

その上で、
◆処理時間に応じたエロージョン率の変化と深さ方向に傾斜的な強さ変化が分かりました。
◆処理方法ごとの特徴を浮き彫りにできました。

改質度と改質深さから各処理の特徴を把握できる

改質度と改質深さの「数値化グラフ」から、下記の特徴が把握できました。
【A】 オゾン
改質度が小さく、改質層は浅い。
【B】 ケミカルエッチング
改質度が大きく、改質層は深い。
【C】 UV
改質度が小さく、照射時間が閾値を越えると改質層が一気に深くなる。

このような、材料の表面から深さ方向の強さ分布の可視化はMSE試験にしかできません。
・表面の改質度(強さ)の数値化・・・未処理品とのエロージョン率比
・深さ方向の改質度(強さ)の分布・・・表面から連続した分布を数値化
・処理時間による改質度(強さ)・・・傾向やその変曲点などを可視化

ホームページの事例をご覧ください

「エロージョン率分布グラフ」と「数値グラフ」をHPに掲載しております。

めっき前の樹脂表面改質層の強さ分析
http://www.palmeso.co.jp/caseResinsurface.html

この他「樹脂」に関連するMSE試験事例はこちらからご覧いただけます。

1. 熱可塑性樹脂材料の劣化診断
http://www.palmeso.co.jp/case-42.html

2. PBT樹脂の劣化特性評価
http://www.palmeso.co.jp/caseGum-2.html

メールマガジン購読希望の方は下記からご連絡をお願いいたします。
メルマガ登録はこちら