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Vol.061 子供のスイッチ/摩耗の形態と材料特性

DATE:2022.03.03
Category:メールマガジン

<本号の話題>
◆思いつくままに:子供のスイッチ
◆少し役に立つこと:摩耗の形態と材料特性
  
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 コラム: 思いつくままに
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<子供のスイッチ>
 
私は現在進行形で、ジュニアサッカー(フットサル)のコーチをしています。
長男が小学校3年生となる時から始めました。
あれよあれよの間に監督となり、今年で監督就任3年目。
その3年目も、もうすぐ終わりを迎えようとしています。
平日も夜にトレーニングがあるため、少数精鋭で行っている我がチームは、
忙しい時には1日/週しか休みがないような時期も。
それでも感動をくれる選手達に引っ張られながら続けてきました。
今回は、これまで私が指導をしてきた中で、苦労した点の一部を
ご紹介したいと思います。
 
テーマは「子供のスイッチ」です。
普段、皆さんもお子さんの勉強スイッチや、ご飯スイッチ等々で
お悩みのことかと思います。
私もその一人です。
 
サッカーは「足の格闘技」なんてフレーズもあります。
選手達の試合に勝ちたい気持ちだけではなく、場面場面で対戦相手に
絶対負けない強い気持ちが必要になります。どの競技でもそうですね。
サッカーは団体競技で、しかも今のジュニアは11人制ではなく、
8人制です。そのため、1人でも欠けるととても影響が大きいんですね。
ですから必ず「スイッチON」が必要になります。
 
さてではこの「スイッチ」なんですが、私なりの解釈で入れ方が
2パターンあります。
1つは指導者が入れるパターン、2つ目は自分で入れるパターン。
私はこれまで前者でした。
選手達の顔を伺いながら、試合前、試合中、バシバシ発言をして
スイッチを入れ、入れたスイッチは切らさないようにしていました。
しかし、これでは選手達の大半は自分で何もできない選手になって
しまうことを、やっと最近になって理解しました。
サッカーに限らず何でもそうですが、今後中学、高校生となった時に、
このままでは光る原石も曇ったままになってしまいそうです。
 
そこで最近は、どんなトレーニングもプレーも、何が悪かったのか
選手達が自分で考え修正してもらうように日々努めています。
上級指導者資格を持っている先輩スタッフに教えてもらったのですが、
これをすることで、自ら考え必要な時に自分でスイッチを入れて
くれるようになるそうです。
なんとか3月の卒団までに全員ができるようにしてあげたいと
日々四苦八苦しているところです。
 
この取り組みをしてから気付いたのが、選手達の目です。
子供も大人と一緒で、やる気満々でギラギラに光った目、
ほころんだ優しい目、二日酔いや寝不足の時のような曇った目、
悩んでいる難しい目、いろんな表情があります。
「目は口ほどに物を言う」といったところでしょうか。
最近ではトレーニングでは悩んで、自分で修正できた時はうれしそうで、
さらにそれが試合で成功した時はギラギラし、できなかった時は
また悩んでいるようです。
 
まだ取り組みを始めたばかりですが、きっと成果は出ると信じ続けて
行きたいと思います。
その成果はまた今度ということで、機会があれば他の苦労話も
書かせていただきたいと思います。
 
>>元カフェレーサー 小林
 
 
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 コラム:少し役に立つこと
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<摩耗の形態と材料特性>
 
摩耗の種類はアブレーシブ摩耗、凝着摩耗、疲労摩耗、
フレッチング摩耗、腐食摩耗などがあります。
実際の摩耗では上記がいくつか複層的に作用しているといわれています。
機械的な摩耗の種類ではすべり摩耗、転がり摩耗、衝撃摩耗、
フレッチング摩耗、エロージョン摩耗、凝着摩耗、疲労摩耗などに
分けることもできます。このほかに化学的摩耗や電気的摩耗などもあります。
 
今回は機械的摩耗において材料強度特性の観点に絞って説明します。
摩耗は(摩擦に伴って)固体表面部分の逐次減量現象とされています。
表面部の減量が少なければ摩耗に強いとされます。
材料が摩耗するメカニズムは、
表面凸凹が相互に切削離脱(ナノメートルでも発生)、
表面凸凹の接触や応力変形で局所荷重や熱による凝着剥離、
繰り返し応力変形で転移等の増大で発生する疲労離脱、
長期繰返し応力で転移蓄積による材料強度低下、
摩耗面に異物や粒子噛みこみによる局所切削離脱、
粒子衝突で極大応力発生によるエロージョン離脱などがあり、
加えて熱などがあると材料自体の許容応力値を下げてしまうこともあります。
 
上記から摩耗を抑える材料特性を整理すると、
表面を硬く(永久変形のしにくさ)する、
ヤング率を大きくして弾性変形を抑える、
降伏点を高くして転移や塑性変形を起こさない、
材質内部の強度分布を均一にするなどが浮かびます。
凝着がしにくくするには摩擦係数を下げるなどもありますが
材料間の相性に左右されます。
異なる観点から材料内にフィラー等の強化材を導入する、
表面コーティングを施すなどがありますが、
摩耗最表面で見ると先の摩耗特性を局所にあてはめることと同じになります。
 
MSE試験では摩耗耐性に資する表面部の上記のような材料特性を
いくつかは数値化可視化できます。
https://palmeso.co.jp/mse/view_cases/
よろしかったらお問い合わせください。
 
>>とりあえず親方 松原亨