多層構造の硬質薄膜を評価した事例です。
MSEで各層と基材の強さおよび界面部の強さ特定ができたことで、GD-OES元素分析と合わせて評価することができました。
目的
- 各薄膜層の強さの特定
- 界面部の強さ特定
- 表面から深さ方向の強さ分布の特定
サンプル
試験結果
多角アルミナ粒子1.2μm使用 標準エロージョン力
エロージョン進行グラフ(試験装置から得られる一次データ)
強さの深さ方向の分布も多層構造であることがわかりました。
エロージョン率分布グラフ(深さの強さ分布を示すグラフ)
- 各層の強さのピークが可視化できました。
- TiCとWC(基材)界面に弱い部分があることがわかりました。
GD-OESによる元素分析
TiCとWC(基材)界面のGD-OES分析結果から基材のWとCoがTiC層に拡散していることがわかりました。
評価
- TiN、TiC、WC基材と3種類の異なる材料のそれぞれの強さを数値化
- TiC/WC基材界面に弱い部分 を発見
- 表面から基材まで 強さの分布をシームレスに見える化
- GD-OES分析で元素の拡散を確認