TOPメールマガジン メルマガvol.5 HP初公開 劣化って材料にいったい何が起こっている?

メルマガvol.5 HP初公開 劣化って材料にいったい何が起こっている?

DATE:2018.05.30
Category:メールマガジン

熱可塑性樹脂材料の劣化診断

PBT樹脂を3種類の環境試験(熱、紫外線、湿熱)により劣化させ、MSE試験で劣化特性を評価してみました。
http://www.palmeso.co.jp/case-42.html

劣化サンプルの光学顕微鏡での観察

各サンプルを未劣化サンプルと比較しました。
・熱や紫外線曝露による外観の変化は見られない。
・湿熱劣化では表面に斑点が発生している。
観察からはこれらのことが分かりました。
後述のMSE試験の結果と照らし合わせてみると興味深い考察が可能になります。

劣化特性についてMSE試験でわかったこと

3種類の劣化にはそれぞれの特徴がありました。
1. 熱劣化・・・内部まで均等に劣化する。
強度低下の割合は他の劣化に比べて小さい。
2. 紫外線劣化・・表層の強度劣化が内部に比べて顕著に進む。
また、内部も強度が低下している。
3. 湿熱劣化・・・内部まで均等に弱くなっている。
3つの劣化法の中で強度低下が最も大きい。
材料の表面から深さ方向の強さ分布を可視化できるMSE試験だからこそわかった事です。

ナノインデンテーションとMSE試験の関係とFT-IR分析からの考察

ナノインデンテーションのマンテルス硬さとMSEのエロージョン率、これらの関係もグラフを交えて紹介しております。
(エロージョン率とは、エロージョン深さ/試験粒子投射gです。)
(グラフは対数で表示しています。)
・エロージョン率は劣化度合い・時間に相関して高くなる=弱くなる。
・マルテンス硬さは劣化初期段階で硬くなっていき、その後あるところから軟化していく。

FT-IR分析から
・硬化過程:酸化による低分子量化(弱くなる)、結晶化(硬化)
・軟化過程:加水分解による低分子量化(軟化・弱くなる)
いずれの過程でもエロージョン率は上昇し、弱くなっていく程度の数値化が可能です。

ホームページに事例をアップしております

熱可塑性樹脂材料の劣化診断
http://www.palmeso.co.jp/case-42.html

この他「樹脂」に関連するMSE試験事例はこちらからご覧いただけます

1. 熱可塑性樹脂の熱劣化
http://www.palmeso.co.jp/caseThermal.html

2. 樹脂・ゴム材料の劣化特性評価
http://www.palmeso.co.jp/caseGum-2.html

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