MSE試験の概要

MSE試験の存在目的

最近のモノつくりの傾向は環境負荷の低減や安全や低エネルギーを目指しており、その為従来に比べて材料の高度化が求められています。それらは材料の高強度化や薄膜表面強化や耐劣化などの要求として現れています。高度化の実現を目指して材料の研究・開発や品質保証部門などでは新たな評価法が必要とされています。その一つとして機械的特性試験の高分解能化があり、電子顕微鏡(SEM)やX線元素分析顕微鏡(XPS)との比較ができるレベルを期待されています。

MSE試験はこの要求に答えるために新しい発想の技術を取り入れ開発された試験法です。高分解能はもちろんとして、基材に影響されず膜単体の強さ計測や、表面から内部までの連続した強さ分布計測までを可能にしました。新しくかつ精密な強さの可視化が、これまでの材料の評価軸の発想転換や発見に繋がり、研究開発におけるスクリーニングの高速化や高度化、データベース蓄積による機械設計への貢献、また劣化進行の精密可視化などに役立ち、高度なモノつくりに貢献できます。

加えて、現在進行中のIoT化のための材料基礎データ取得にも役立ちます。

MSE試験の開発経緯

MSE試験は材料表面の精密な機械的特性(強さ分野)を計測するために開発された技術で、福井大学との産学連携から生まれた試験法です。開発の歴史は長いですが実用化は最近で2012年から手動装置を、2014年から自動装置を提供しています。

MSE試験の測るもの

材料の機械的特性試験はJISにもあるようにすべてが破壊する方法で成り立っています。早い話が強さは実際に引っ張ったり、曲げたり、摩耗させたり、へこませたりしないと判らないため、数値化するためには「破壊試験」をしなければなりません。MSE試験ではこれまでの破壊方法に変えて微小粒子を大量に投射して試験片を精密に削る(破壊)現象を使って強さを測っています。この結果、材料の表面から削りながら、その深さの時点時点の強さ計測を可能にし、表面から内部までの連続した強さ分布を取得するという新たな効果を生み出しました。

下図に試験結果の強さ分布の一例を示します。縦軸は精密な深さ軸で横軸は強さ(右へ行くほど弱い)です。表面から強さが変化していることが明確に分かります。

MSE試験のこれまでにない特徴

圧倒的な差
  1. 深さ方向分解能がナノレベルを実現できる
  2. 材料表面から内部まで連続した強さ分布が得られる
  3. 材料の「ヤング率モードの強さ」と「脆性モードの強さ」の2面性が得られる(特別な2条件試験による)
  4. 痕のプロファイルから強弱分布の断面観察が可能
優位的な差
  1. 硬質材料セラミックスから金属材料まで、さらに軟質材料プラスチックからゴムまでが試験できる
  2. 特別な加工なく実際の表面をそのまま試験できる
  3. 加工面は緩やかな斜め研磨(角度2度未満)でそのままSEM等で断面観察・分析情報が得られる

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